荒れ地
【鉛筆】

 突然ですが,「他人(ひと)のスケッチブック覗くの楽しいよね〜」とか云う意味のことを機会あるごとに云ってたりするわりには,自分のとこに置いてあるラフスケッチの数があまりにも少ないことに気が付きました。
 画廊第1室とかにあるにはあるんですが,あれはPainter直描き。この絵の真のタイトルが『やっぱ鉛筆だよね〜/その1』であることからお判りのように(ご存知ない方も,たった今お判りになったことと思います),えせ鉛筆でなしにクロッキーブックにモノホンの鉛筆で殴り描いたのを,今後ちょびちょび置いて行こうと決めたわけです。

 で,うわべのタイトルが『荒れ地』となっていても,どこがどう荒れているのやらはぁさっぱりですね。かの高名なるシャーロック・ホームズ氏が悪名高いバスカヴィル家の犬の謎を追って駆け回った,あの有名なダートムアの風景写真を眺めているうちに樹を描きたくなって描いたのでこうなったわけなんですが(要するに「ムア」),あるいはおとなしく『林』とかにしとけばよかったかも知れません。
 ついでに云うと,これが『根っこ』の引き金になってます。てことは,だいぶ前の落描きですね。でもそのうち,さらに古い落描きなんかも出て来る予定です。て云うか,古いのしか出て来ない予定です,今のところ。

 ホームズと云えば,ニコル・ウィリアムスンが演じてるヤツで,たまにうっかりジェイムズだったりするジョン・ワトスンを何とロバート・デュヴァル,でもって気の毒にただの「みそか男」扱いのモリアティをローレンス・オリヴィエがやってて,アラン・アーキン演ずるジークムント・フロイトが,ホームズが何故モリアティを目の敵にするかを心理学的に解き明かそうとする筋立ての『シャーロック・ホームズの素敵な挑戦』が,ホームズ映画の中ではかなり面白いと思うなんてのはこの際どーでもいい話。

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